現在、中南米諸国において約210万人もの日系人が在住している。近年では、現地の日系社会の中心世代の交代により日系人のアイデンティティが薄れ、日本との交流の希薄化が懸念されている。一方、若い世代の日系人からは、日本の先進的産業に関心が寄せられている。
また、特に約190万人の日系人が在住しているブラジルは、日本の食料輸入先として重要な穀物生産大国であり、日本の食料安全保障の観点からもより一層の良好なパートナーシップの構築を図る必要性がある。
このため、日本との間で移住協定が締結されたブラジル連邦共和国、アルゼンチン共和国、パラグアイ共和国、ボリビア他民族国の日系農業関係者組織間の連携強化、若手向けの研修や交流会議を通じた次世代リーダーとなる日系農業者等の育成に取り組み、日本と日系人との間で構築された良好な農業交流関係の維持・発展を図る。
実施項目 | 場所 | 参加者 | 時期 | |
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1 | 日系農業者等の連携強化 | |||
① | 日系農業者等連携強化会議 事業対象国の日系農業者等が抱える課題の抽出、課題解決のための意見交換、情報共有、議論を行う。 |
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第1回 | サンパウロ | 79名 | 2018/7/25 | |
第2回 | サンパウロ | 84名 | 2019/2/5 | |
② | 若手農業者等を対象とした交流会議 若い世代の交流を促進するため、日系農業者等連携強化会議に併せて、農若手農業者等を対象とした交流会議を実施する。 |
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第1回 | サンパウロ | 37名 | 2018/7/24 | |
第2回 | サンパウロ | 44名 | 2019/2/4 | |
③ | 本事業への参加者・団体の掘り起こし 新たに本事業に参加する団体の掘り起こしについて、本事業関係者や事業対象国の関係機関を通じて、日系農業者や団体を紹介してもらう形で調査を進める。 |
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事業対象国 | 新規6団体 | 通年 | ||
④ | 事業推進委員会 事業計画や日系農業者等連携強化会議で提起された日系農業者等が抱える課題の解決方法及び報告書の検討等を行う。 |
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第1回 | 東京 | 16名 | 2018/7/6 | |
第2回 | 東京 | 15名 | 2018/9/7 | |
第3回 | 東京 | 16 | 2019/2/26 | |
⑤ | 事業参加者・団体間の自立的な組織の設立に向けた検討 本事業及び平成25年から平成29年に実施した中南米日系農業者連携交流事業への参加者・団体が自立的に連絡・交流を行うことができるような組織の検討を行う。 |
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事業対象国 | 主要メンバー16名 | 通年 | ||
2 | 研修・交流事業 | |||
① | 若手農業者等の育成研修(日本への招へい) 農業・食産業の組織やビジネスを牽引する役割を担う次世代リーダーとして見込まれる者を対象に、農産物の高付加価値化、6次産業化等について学び、日本国内における農業関係者との交流を深める研修を実施する。 |
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(1)グループリーダー研修 | 日本 | 6名 | 2018/9/29~10/21 | |
(2)専門研修:直売所 | 日本 | 3名 | 2018/10/7~10/27 | |
(3)専門研修:野菜 | 日本 | 3名 | 2018/11/9~11/30 | |
(4)専門研修:飼料 | 日本 | 3名 | 2018/11/17~12/7 | |
(5)専門研修:加工 | 日本 | 3名 | 2018/11/17~12/7 | |
(6)専門研修:花 | 日本 | 2名 | 2019/1/13~2/3 | |
② | 日系農業者団体女性部の女性活躍推進研修 日系農業者団体女性部を対象に、花きの栽培、食品製造等実地体験を交えて、日本の農村女性の取組を視察すると共に、女性をはじめとする農業関係者と交流を深める。 |
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日本 | 8名 | 2019/1/13~2/3 | ||
③ | 農業・食産業分野に係る専門家派遣による研修(中南米現地) 専門家派遣研修は、中南米現地でニーズの高い、日本食、施設園芸および農業経営について、3つのコースに分けて専門家を派遣するとともに、現地日系社会に本事業を広くアピールできる機会をとらえて実施する。 |
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コース1:日本食 | ブラジル | 155名 | 2018/7/20~7/22 | |
コース2:施設園芸 | ブラジル | 170名(*3名) | 2018/9/21~9/23 | |
コース3:農業経営 | ブラジル、パラグアイ、ボリビア | 290名 | 2019/2/2~2/16 | |
3 | 日本の地方企業とのビジネス交流 | |||
① | 地方公共団体との協力体制構築のためのアンケート・ヒアリング 中南米の都道府県人会とのつながりが深い地方公共団体に、農業ビジネスに関心のある企業・団体の有無、農業ビジネス交流への意向等について状況を把握するため、アンケート(Eメール)・ヒアリング(電話、訪問)を実施する。 |
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日本 | 142団体 | 通年 | ||
② | 日本の地方企業とのビジネスマッチング 3.①で展示会出展企業等への直接アプローチが企業発掘に有効であるとわかり、施設園芸展、次世代農業EXPO2018、アグロ・イノベーション2018等に出展していた農業関係企業のブースを訪問して本事業の説明を行い、海外展開状況や中南米の日系農業者等とのビジネスへの関心を聞き取りする。 |
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日本 | 13社 | 通年 | ||
③ | 農業ビジネスセミナー等 中南米進出に関心のある日本企業2社を平成31年2月2日~2月13日の期間でブラジルに派遣し、2月4日に日系農業者等とのビジネスセミナーを開催する。 |
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ブラジル | 2社 | 2019/2/2~2/13 | ||
④ | 日系農業者・団体に関するデータベース作成 日本企業とのビジネスに関心のある本事業参加者・団体と、日本企業との連携を促すため、日本企業への提供を目的とした本事業参加者・団体のデータベースを作成する。 |
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事業対象国 | 43団体 | 通年 |