中南米には約230 万人の日系人が在住しているが、近年、現地の日系人社会の大宗を占める世代は二世から三世、四世へと移り変わり、世代交代が進む中、日系人としてのアイデンティティが薄れることによる日本との交流の希薄化も懸念されている。一方、若い世代の日系人からは、日本の先進的農林水産業や食産業への関心も寄せられているところ。中南米地域はブラジルをはじめ世界の食料市場への一大供給地であり、日本にとっても食料安全保障上、重要な国であることから、引き続き良好な関係を維持・強化する必要がある。また、我が国の「農林水産物・食品の輸出拡大実行戦略」では、2030 年までに5兆円という輸出額目標を設定しているところ、中南米地域は日本食への関心や認知度が高く、潜在的に日本食、日本食材への需要があることから、日系人等との連携等により我が国農林水産物・食品の輸出拡大に向けた取組を行う必要がある。
このため、本事業は、我が国の食料安全保障の確保及び農林水産物・食品の輸出促進の観点から、日本との間で移住協定が締結されたブラジル、アルゼンチン、パラグアイ及びボリビア並びにペルー、コロンビア、メキシコ、ドミニカ共和国、ウルグアイなどの中南米各国で農業・食産業に携わる日系人及びその関連組織並びにその関係者・関係機関等と我が国の連携・交流を推進・強化することを目的とする。併せて我が国の農林水産業・食産業分野の技術・ノウハウを活用した中南米におけるフードバリューチェーン(FVC)の構築を通じ、我が国食産業の中南米への展開を推進し、海外需要の獲得を目指すものとする。
具体的には以下に掲げる取組を行い、農業・食産業分野での日本企業の中南米におけるビジネス創出や日系農業者等との連携交流の強化、日本の農林水産物・食品の輸出促進を図ることとする。
①日系農業者等との連携強化
②現地の若手リーダー育成や先端技術による生産性向上の支援
③中南米への戦略的ビジネス環境整備
令和5年6月21日から令和6年3月22日まで