本事業では過年度事業より、日本企業と中南米日系農業者とのビジネス交流に取り組み、ビジネス創出を目的としたマッチングの場を提供してきました。日本と中南米の距離の遠さから、実際の取引に繋がる事例は決して多くはないですが、その中でも取引に繋がった好事例について、インタビュー形式でのフォローアップ調査を行い、成果や今後の展望について取りまとめました。中南米への展開を目指している企業にとっての参考資料として、ご覧いただけたらと思います。
⽇系農業者とのネットワークを有する本事業を通して、ヤンマーサウスアメリカ社が⼩型野菜移植機のデモンストレーションを実施しました。企業努力の成果であることはもちろんですが、このデモンストレーションがひとつの契機となって、現在まで日系農業者による購入が増加傾向にあります。
2016年度に本事業のビジネスマッチングの取組に参加したヤンマーサウスアメリカ。⽇本国内でも有名な農業機械メーカーである「ヤンマーホールディングス株式会社」のブラジル現地法人で、サンパウロ州で日系農業者に対する野菜移植機の紹介を行った。
デモンストレーションで紹介した野菜移植機を初年度に2台販売
その後も⽇系農業者が継続して購⼊(合計52台、約4700万円)
本事業で行った訪日研修で農業展示会を訪問し、サボテン社のはさみを試したブラジルの果樹⽣産者からサボテン商品を望む声が上がり、現地視察へ参加していただきました。現地視察では流通経路の確⽴までには至りませんでしたが、ブラジル農協との果樹⽤保護袋の取引が成⽴に繋がりました。
2020年1月、本事業で実施するビジネスマッチングの取組で、中南米に赴き現地視察に参加した企業がある。
兵庫県三木市の「株式会社サボテン」だ。園芸や農業用の刃物の製造や園芸用品の販売を行っている。
(株)サボテンが受託販売している果樹⽤の保護袋の取引が成⽴
20フィートコンテナ1本分をブラジルに向けて輸出